×

この観光をDeep North Japan Conciergeのマイプランに登録しました

HOME > 特集 > 日本遺産 & 世界遺産 > 平泉 - 仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群

特集

世界遺産

12世紀にはおよそ10万人の人口を有し、京都にも劣らない規模と豪奢さで現在の東北地方の首都として栄えた街、平泉。ユネスコ世界遺産である中尊寺と毛越寺はもちろん、息を呑むような猊鼻渓の絶景、そして数々の賞を受賞している前沢牛に、かつての繁栄の面影が今日も隠されている。平泉を訪れれば、東北の歴史、自然、そして食の新たな発見が必ずあるはずだ。

中尊寺


中尊寺の歴史は西暦850年まで遡り、日本で最も重要な寺の1つとして知られている。中尊寺の名が広まり始めたのは12世紀のこと。当時勢力を拡大していた奥州藤原氏が平泉を奥州(現在の東北)の首都に定めたことがそのきっかけとなった。3000を超える国宝や重要文化財が収蔵されている讃衡蔵と金色堂があることでも有名。

立ち並ぶ寺や神社の間を通り抜けると、12世紀の平安時代へタイムスリップしているかのような感覚に陥る。奥州藤原氏の滅亡後、多くのお堂や塔が火災に見舞われた中で、この場所が今日まで残っているということこそがその特別さを物語っている。

中尊寺の目玉といえば国宝に指定されている金色堂である。光り輝く霊廟は凄まじい量の金箔で覆われており、そのまぶしさに目が眩む。1124年に建設された金色堂には、偉大な輝きの象徴として阿弥陀如来が安置されている。目を見張る木工、金細工、そして螺鈿で作られた意匠から4代にわたって続いた藤原家の重要性を感じ取ることができる。

中尊寺は丁寧に整備された林の奥にある小山の上に建っており、平泉の街並みと北上川を見渡すことができる。一番の絶景スポットはかんざん亭。抹茶や昔ながらの和菓子に舌鼓を打ちながら景色を楽しんでみてはいかがだろうか。

毛越寺


9世紀に建設された毛越寺には、現存する数少ない浄土庭園の一つがある。浄土庭園は平安時代に多く作られ、「極楽浄土」を再現し、そのほとんどが真ん中に大きな池を有していた。多くの人々が命を落とした内乱の後に建てられた。浄土庭園は仏教徒にとっての楽園が持つ美しさの象徴としてだけではなく、争いで命を落とした敵と味方すべての人々が浄土に行けることを願って造られたのである。

浄土庭園を楽しむなら、静かな波が打ち寄せる「大泉が池」の周りを歩くのがオススメだ。心から穏やかな気持ちになり、仏教徒の信じる理想の死後の世界が浄土庭園のデザインに反映されていることがわかる。数分も歩けば、池の水源を見つけることができる。曲がりくねった形状をしているこの遣水の付近で、曲水の宴が行われる。

「曲水の宴」は詩を詠んだり暗唱したりしながらお酒を楽しむ伝統行事として貴族の間で楽しまれていた。酒が入った漆塗りの盃が遣水に浮かべられる。盃が来るまでに詩を書かなければならず、盃が目の前に流れて来たら筆を止めて盃を手に取り、良い詩がひらめくことを願って酒を飲む。
ここまで洗練された上品な酔い方があるだろうか。

毛越寺では、今日も仏教僧が常行堂で修行に励んでいる。仏教文化を体感したい人向けに早朝からの座禅体験があり、早起きをしてでも是非体験してほしい内容となっている。静かに心を穏やかにすることで感覚が研ぎ澄まされて思考がスッキリすると言われており、1日の始まりに座禅を組むことは理想的とされている。

猊鼻渓


東北の数ある絶景の中の一つである猊鼻渓はおよそ2kmにわたって続き、地元の舟頭がゆっくりと漕ぐ小舟に乗りながら景色を楽しむことができる。1時間半の船旅で、おだやかなそよ風、静かに波打つ水面、そびえ立つ絶壁と岩々に心と体を委ねる。餌を求めてカモや鯉が舟に近づいてくることも。

渓谷を渡った後、20分ほど辺りを散策することができる。反対側の崖に穴が空いていて、そこに石を投げ入れることができると良いことが起こると言われている。見た目以上に難しいが是非挑戦してみてほしい。

猊鼻渓は年中いつ訪れても素晴らしいが、美しい紅葉が花火のように咲き乱れる秋に是非訪れてみてほしい。この場所を訪れる人々全員が一緒に旅を楽しんでいると感じる。舟がすれ違うたびに会釈をして手を振りあう人々。地元の民謡を歌いながら終着地まで船を進ませる舟頭の声が響き渡る渓谷。そんな空間の中で全員が猊鼻渓での経験を特別なものにしているのだ。

食:前沢牛


牛肉好きなら平泉を訪れて前沢牛を食べずに帰るわけにはいかない。前沢牛は日本国内で最も優れた肉質を持つことで知られており、低温でも溶けてしまう上質な脂がのった霜降り肉は口の中でとろけてしまうほど。前沢牛を味わうなら、前沢町にある焼肉店「おがた」を訪れてほしい。見ているだけで食欲をかきたてられる前沢牛を直接網の上で焼いて楽しむことができる。平泉を訪れた際は是非立ち寄って地域の味を体験してほしい。普通の牛肉では物足りなくなってしまうはずだ。

達谷窟


日本国内をくまなく旅していくと、多くの寺が同じように見えてくることだろう。しかし、1200年の歴史を持つ達谷窟は例外だ。崖の麓に建てられた毘沙門堂が辺りの岩々に溶け込んでいる様は非常に珍しい光景で、坂上田村麻呂の軍事的成功を記念して毘沙門天が安置されており、じっくりと観察しながらその外観の美しさを楽しむことができる。

現在の毘沙門堂は20世紀に京都の清水寺をモデルにして建てられたものだが、その左側の崖には大きな仏陀が岩々に彫り込まれている。900年前に作られたとされる高さ6.5メートル、長さ3.6メートルにもなる巨大な仏陀は東北地方では珍しい。見る角度によって仏陀の表情が優しく見えたり、恐ろしく見えたりする。

アクセス


平泉までは新幹線で容易にアクセスが可能だ。東京駅から一ノ関までおよそ2時間。そこからJR東北在来線にのってたったの10分。仙台駅から一ノ関までは40分でアクセスが可能。

記事で紹介した観光情報

猊鼻渓舟下り

達谷窟

見どころいろいろ

日本初のユネスコ世界遺産:白神山地・十二湖

平泉 - 仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群

明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業