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ここから始まる東北の旅

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記事で紹介した観光情報

600年の歴史を持つ五重塔

神の領域、出羽三山へ

世界のいたる文化で、山々には霊的な力があり、神が宿ると信じられている。東北には、日本で最も神聖な山のひとつといわれる三つの神山、出羽三山があり、息をのむほど美しい神秘的な山々、火山湖、温泉や農地といった豊かな自然に囲まれている。そこは、山岳信仰が今もなお人々の生活に深く根付いており、伝統と宗教文化の中に日本の精神を垣間見ることができる場所だ。このような背景のもと、私たちは修験道を実践する巡礼者の足跡を辿るべく、壮大な旅に出た。

羽黒山

伝統的な衣装を着た山伏

出羽三山の恩恵

修験道とは、精霊信仰、仏教、神道、道教などの影響を受けた民族宗教のことである。人と自然とのつながりを強め悟りを得ることが修験道の本質であり、修験道の実践者は「自然は神の現れであり、敬意を持って暮らすべきだ」という教えを説いている。修験道の世界では、山や森に非常に大きな意味がある。 羽黒山 (419m)、 月山 (1984m) そして湯殿山(1504m) からなる出羽三山は修験道の行場の中心だ。修験者、または山伏と呼ばれる修験道の実践者は、過去1400年もの間、山岳信仰を実践してきた。修験者は精神の悟りを得る為、大自然の中に身を投じ、身体の極限を試されるような厳しい修行に耐える。今回の旅行では、修験者が辿った道を身を持って体験できるという素晴らしい機会に恵まれた。誕生を象徴する羽黒山、死のシンボルと呼ばれる月山、そして再生を意味する湯殿山という3つの霊山を訪れるのだ。

羽黒山昇殿参拝

羽黒山についたのはちょうど日が暮れる頃だった。日本の神域によく見られる木の門、鳥居をくぐり神聖な場に足を踏み入れた。その先には石段と呼ばれる長い石の階段が高い杉並木の奥へと続いている。その長さはなんと1.7キロメートル。1648年に作られた石段は2446段あり、その頂上には三神合祭殿がある。石段には彫り物がある石が33個あり、全て見つけられたら願いがかなうと言われているそうだ。33は多くの宗教で神聖な数と信じられている。残念なことに時間がなかった為、私たちが行けたのは600年もの歴史を誇る国宝の五重塔までだった。薄暗い森の中でひときわ豪華な装飾が施された五重塔は神秘的な雰囲気を醸し出し、まるで森の神が宿っているかのように見えた。

羽黒山の石段

山頂の神社、三神合祭殿では伝統的な法衣に身を包んだ山伏が、彼は厄除けの為に法螺貝でできた仏教楽器を吹き、私たちを出迎えてくれた。私たちは神社の中心、出羽三山の三神を祀る神殿に昇殿し正式な参拝を行った。鶴の絵柄のある煌びやかな法衣をまとった神主が、太鼓を叩き、先に白い紙がついた棒を振り、鐘をならし、邪気を払う。神主はその後、部屋中に響き渡る声で、まるで空気を震わせているように祝詞を捧げた。私たちは感動と喜びに包まれながら、二回お辞儀をし、二度手を叩き、そしてもう一度お辞儀をし、儀式を終えた。これで私たちの「誕生」の儀式は幕を閉じた。

羽黒山の三神合祭殿

その夜は、山伏が管理する神社の宿“宿坊”に泊まった。玄関では山伏の妻が正座をしながら私たちを迎えてくれた。部屋はちりひとつなく綺麗に掃除がされていて、シンプルな内装になっている。その静かな平穏は長い旅路を終えた私たちにとって非常にありがたい時間だった。禅の精神を体験したいのなら、宿坊をオススメする。翌日の早朝、月山そして湯殿山へと続く旅の安全を願うため、宿坊の大家である神主が祝詞を唱えてくれた。

月山、湯殿山へ

その日は雨の中、月山へ向かった。草や笹が生い茂る湿地帯に作られた木の小道を歩き、20分くらいで、うさぎの石像がある小さな神社にたどり着いた。うさぎは山の守り主として祀られていて、神の教えが刻まれた石碑が神社を守るかのように立っていた。

月山は死への道を象徴する。私たちが辿った険しい道はこのメッセージを教えているかのようだった。夏の間であれば、巡礼者たちは月山神社がある山の頂上まで登ることができる。頂上からは出羽三山巡礼の最後の目的地、湯殿山を眺めることができるはずだ。

湯殿山

湯殿山への旅は素晴らしいものだった。そこで、人生の新たな旅路を進むための“生まれ変わり”の儀式に参加したしたが、それに関しては、絶対に口外しないとことを神主に誓わなければならなかった。儀式の秘密を明かすことは禁じられているが、ここでの経験は一生忘れないと言うくらいなら大目に見てくれるだろう。

出羽三山は巡礼の旅路だ。しかし宗教や精神といったことに興味がない人でも、学びが多く、心を動かされるような旅を経験できるはずだ。日本の宗教を体験できるという素晴らしい旅を振り返る今、なぜ山々が神の領域として拝まれているのかはっきりと分かった気がする。

アクセス:

羽黒山: JR鶴岡駅からバス約40分,隨神門で乗り換え山頂までは約55分

月山: JR鶴岡駅から月山八合目まで、バスで約1時40分。

湯殿山: JR鶴岡駅からバス1時30分

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