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ここから始まる東北の旅

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幸せを分かち合う夏祭り

短い夏の盛り、青森の街には普段の車が行き交う音に替り、祭囃子の軽快なリズムと「らっせーらー、らっせーらー!」という威勢のいい声が響く。「出せ!出せ!」が語源という掛け声とともに跳ね踊るのは、“ハネト”と呼ばれる何千人もの市民だ。東北の人々はシャイと言われるがこの時ばかりは違う。短い夏を謳歌するように人々は歌い踊る。青森ねぶた祭の始まりだ。

青森のねぶた祭が現在のような様式を持つのは300年以上前だが、その起源はさらに古く、奈良時代(710〜794年)に中国から伝来した七夕の灯籠流しが原型と考えられている。また別には秋の収穫を前に眠気と穢れを払い、農作業に万全を期すための祈りが起源とも伝えられる。津軽の言葉では「眠たい」を「ねぶて」というが、眠りを流すための祈りが祭りの名前になったのかもしれない。青森では今も農業が重要な産業だ。長い歴史の中で祭りのスタイルは変化したとはいえ根本の願いは変わらない。人々は秋の実りとたくさんの幸せを願い夏の夜を踊り明かす。

“ハネト”と並ぶ祭りの主役がねぶた山車だ。大型トラック以上の大きさの山車に歌舞伎や伝説を題材にした張子を載せたそれは、熱狂のシンボルとしてハネトたちの心を揺さぶる。ねぶたの張子は竹と針金でできた骨組みに、2000枚以上の和紙を張り合わせて作られる。ねぶた師と呼ばれる職人たちが各々一年がかりで完成させた力作だ。ねぶたは眩い明かりを放ち夜の街を練り歩く。ときに猛々しく、ときに妖しく。その迫力は、リアルな造形と動きによって伝説の人物が蘇るような気がするほど圧倒的だ。ねぶた山車にエンジンはない。操るのはハネト同様に熱い心を持つ市民たちだ。沿道の観客から歓声が上がればそれに煽られ動きは激しくなる。そして観客はさらにヒートアップする。まさに演者と観客は一心同体。ねぶた祭りは、東北の夏の至上のエンターテイメントでもあるのだ。

青森ねぶた祭りが注目され、多くの人が訪れるようになったのはそう古いことではない。1970年代以降、街の通りが広くなるとねぶた山車は大型化し、大きさや意匠性を競うようになった。すると迫力と熱狂を目当てに多くの人がやってきた。青森の祭りだったねぶたが、日本を代表する夏祭りになったのである。

現在ではハネトの衣装を着れば、観光客であっても祭りに参加することができる。浴衣の裾を膝までたくし上げ、真っ赤な襷としごきをキュッと締め、花笠を被ればあとは踊るだけだ。ただし腰には“ガガシコ”と呼ぶブリキの器を忘れずに。真夏に踊り続けるには水分補給が欠かせないからだ。そして鈴は周りの人に負けないくらいたくさん身につけよう。あなたの踊りが激しいほどそれは賑やかに鳴り、たくさんの人を惹きつけるだろう。激しい踊りにつれて路上に落ちた鈴は幸運を呼ぶとされ、沿道の観客は競ってそれを拾う。ぜひたくさんの人に幸せを分けて欲しい。

穢れを祓い、豊穣の祈りから始まった青森ねぶた祭りは、山車の迫力を見て楽しむものとなり、今では誰もが参加し、その熱狂を楽しみ、幸せを分かち合うものとなった。間違いなく、一生のうちに一度は参加したい祭りといえる。

イベント情報

会場:青森県青森市内
開催日:8月2日〜7日
料金:見学無料(有料の観覧席あり)
交通アクセス:東京から東北新幹線で、新青森駅まで約3時間30分

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